神道と仏教の違い
神道は古代日本に起源をたどることができるとされる宗教である。宗教名の多くは何教と呼称するが、宗教名は神教ではなく「神道」である。伝統的な民俗信仰・自然信仰を基盤に、豪族層によるや地方の政治と関連しながら徐々に成立した。また、日本国家の形成に影響を与えたとされている宗教である。
神道は、一時期は神仏習合などでその扱いが統合されていた。しかし明治時代、それ迄の武家社会からの転換で天皇を頂点とした社会を構築するにあたり、国民の精神的支柱としてその精神性や倫理性などが見直され、国家形態の一部として採用された。神道は日本国内で約1億600万人の支持者がいると『宗教年鑑』(文化庁)には記載があるが、これは神社側の自己申告に基づく数字である。約85,000の神社が登録されている。
一方、仏教は、インドの釈迦を開祖とする宗教である。キリスト教・イスラム教と並んで世界三大宗教の一つで、一般に仏陀の説いた教え、また自ら仏陀に成るための教えであるとされる。仏教の世界観は必然的に、仏教誕生の地であるインドの世界観である輪廻と解脱の考えに基づいている。人の一生は苦であり永遠に続く輪廻の中で終わりなく苦しむことになる。その苦しみから抜け出すことが解脱であり、修行により解脱を目指すことが初期仏教の目的であった。
仏像や仏閣などは仏教が伝来した国、そして日本でも数多く見られるが、政治的な目的で民衆に信仰を分かりやすくする目的で作られたとされる。開祖の釈迦の思想には偶像崇拝の概念は無かった。
神道と仏教の違いについては、神道は神話に登場する神々のように、地縁・血縁などで結ばれた共同体を守ることを目的に信仰されてきたのに対し、仏教はおもに個人の安心立命や魂の救済、国家鎮護を求める目的で信仰されてきたという点で大きく相違する。 一番大きな違いは仏教は「普遍宗教」である。神道は「民俗宗教」である。 仏教のみならずキリスト教・ヒンドゥー教・イスラム教、いずれも「教え」が存在する。その教えを信ずるならば、イギリス人でも仏教、日本人でもヒンドゥ教、インド人でもイスラム教、イラン人でも仏教を信ずるのだ。仏教は人種、民族の別を超えて、その宗旨(教え)に共感できる者は、信ずることができる。言い換えれば、世界のどの人種にも通用するので「普遍宗教」といえる。
一方、神道は「教え」がなくて、伝説などがある。この鏡、刀、老木、巨岩に神が宿るといっても、教えが無いので、外国人には理解できないのだ。外国人にとっては、教えが無ければ信ずることすらできない。神道の独特のこの感覚は日本人にのみ理解できるものだ。日本人にのみ通用するのものだから、「民族宗教」といえる。